一隅を照らす運動推進四国大会



一隅を照らす運動四国本部(大岡真淳本部長)では、十一月十七日に四国本部主催として初めての一隅を照らす運動推進四国大会が宇和島市の宇和島自動車会館五階ホールで開催された。当日は秋晴れに恵まれ、約百三十人が参加して盛大に挙行された。
開会式では、大岡本部長が導師のもと法要が営まれ、荘厳な天台声明が会場に響き渡っていた。続く来賓挨拶では、一隅を照らす運動総本部事務局次長・荒樋勝善師、天台宗宗議会副議長・木村俊文師が祝辞を述べた。
記念講演では、延暦寺一山千手院住職で叡山学院院長の小林隆彰師が「お返しのこころ、一隅を照らす」と題して自らの体験談を交えながら熱弁をふるった。小林師は、「戦後の教育は奪いの精神構造を創ってしまった。人の心、ひいては自然環境までも奪ってしまった。合掌し、ご先祖様、家族を大事にする心を次代に継承してほしい。お互いがお返しの心を持ち、無財の七施を実践して下さい」と、日々の生活でお返しの心の大切さを説いていた。
また、大会では台湾中部地震義援募金が実施され、参加者からの善意は十四万千五百円集まり、一隅を照らす運動地球救援募金事務局へ寄託された。閉会式では一隅を照らす運動・三つの実践目標を全員で唱和し、参加者は更なる運動推進について誓いを新たにしていた。
翌十八日は天台宗四国教区総合研修会が、広見町の等妙寺で開かれ、約八十名が参加した。宇和地方における天台密教の中心的山岳寺院として隆盛を極め、後醍醐天皇の勅願寺と定められ、日本四戒道場の一つとして栄えた旧等妙寺跡遺跡(約三十ヘクタール)を見学した。また等妙寺では仏画・法衣・仏舎利の宝物が特別展覧され、参加者は関覚圓住職の説明のもと数々の宝物に見入っていた。さらに同和教育講座では天台宗同和推進委員・妙光寺住職の入亮智師から人権擁護に対する天台宗の現状と取り組みについて講話があり、研修を締めくくった。

延暦寺一山千手院住職で叡山学院
院長の小林隆彰師が「お返しのここ
ろ、一隅を照らす」と題して記念講演

開会式であいさつを述べる
大岡四国本部長(=妙法寺住職)

旧等妙寺跡を見学し、山岳寺院の旧跡を訪ねた。往時の隆盛がしのばれる

等妙寺檀信徒総代の松浦房男氏に代表で修了証が授与された(等妙寺にて)



無財の七施 

『雑宝蔵経』というお経の中には、たとえお金や財産が無くても、誰にでもできる布施行として、以下のような無財の七施が説かれています。
1.眼施(げんせ)優しい思いやりの目を向けること。温かい心は、自らの目を通して相手に伝わるのです。慈眼施ともいう。
2.和顔施(わげんせ)穏やかな優しい顔つきで人や物に接すること。喜びを素直に顔の表情にあらわしましょう。和顔悦色施ともいう。
3.言辞施(ごんじせ)優しく温かい言葉をかけること。思いやりのある態度で言葉を交わしたいものです。愛語施ともいう。
4.身施(しんせ)礼儀正しく真心のこもった奉仕をすること。身体で示すことをさし自ら進んで他のために尽くす気持ちが大切です。捨身施ともいう。
5.心施(しんせ)行為に思いやりの心をこめること。心底から共に喜び、共に悲しむことができ、他の痛みや苦しみを自らのものとして感じ取れる心持ちを持ちたいものです。心慮施ともいう。
6.牀座施(しょうざせ)座席を譲ること。自分が疲れていても電車の中で喜んで席を譲る行いや、競争相手にさえも自分の地位を譲って悔いなく過ごせることをいいます。
7.房舎施(ぼうしゃせ)家に迎えて休んでいただくこと。また雨露をしのぐ所を与えること。自分が半身濡れながらも、相手に雨がかからないように傘を差し掛ける思いやりの行為などです。




1999.11.24版